九電値上げは妥当か。社員の高給、寄付金も電気代から。

 九州電力が27日に家庭向け電気料金の値上げを申請するという。この値上げ申請にあわせて、一般社員の基本給を削減する方針を固め、1割前後減らす方向で検討を始めたという。3月に幹部の人件費や設備修繕費を圧縮し、経費を1200億円減らす方針を発表し、その後、役員報酬のカット率を20%から30%前後に広げ、管理職の冬季賞与の削減も決めていたという。

 さて九電とはどういう企業だったのか。九州で電力を独占販売し、電気料金の中に予め各種寄付金や原発立地対策費のためのばらまき金、社員の福利厚生施設の建設費、オール電化の宣伝費など全て織り込んでいるのである。電気料金として集めたお金をもとに九電が好き勝手にお金をばらまく

 例えば、九州国際重粒子線がん治療センター(SAGAHIMAT)に対して、九州電力は平成22年4月に39億7000万円を寄付することを表明した。これは佐賀県のホームページにも載っている。九州電力佐賀支店の大坪潔春支店長は、寄附を決めた理由として「事業の実施主体、寄附の相手先に公益性・公共性があること」、「事業の地域社会に対する有用性、意義があること」「事業への協力が当社と地域社会との信頼関係の強化につながること」を挙げられ、「今回の寄附が、重粒子線がん治療を通じて安心安全な医療を提供し、国内外における医療福祉の向上と、がん患者の皆様の負担軽減に寄与す ることを強く期待する」と述べられました、と書いてある。

 いったいあんたは何様なのだと言いたい。事業に公益性・公共性があるから、何だというのか。地域社会に対する有用性、意義があるから何だというのか。九電の役員と社員がお金を出し合って、勝手に寄付するというのなら何も言わない。そうではなく、電気代として集めた金をあたかも自分たちのお金のようにして、寄付をするこれは詐欺ではないか。サガハイマットは要するに玄海原発があるから、その見返りに九電が寄付しただけのことだろう。約40億だが、これは氷山の一角だろう。

 九電役員の報酬。取締役の平均が4600万円(西日本新聞7月4日)。30%カットしても3220万円。社員の平均年収が833万円。この数値は会社四季報に乗っており、平均年齢40.6歳。電力会社で2番目の高さ。経済産業省は認可にあたって、社員1000人以上の大企業平均(596万円)なみに引き下げるよう求める方針という。同じ西日本新聞に地場上場企業の2010年度の平均年収が載っている。RKB毎日放送1144万年。ふくおかフィナンシャルグループ870万円。安川電機716万円。九電工648万円。西部ガス632万円。西日本鉄道494万円。こうやって見ると会社によって大きな開きがある。その中で九電は上位に位置する。どの会社がどれだけの年収であろうが、自分達が稼いだお金なので勝手である。他人がとやかく言うべきものではない。しかし、九電は別である。自分達は何の努力もせずに地域独占企業として安穏に暮らし、権力を欲しいままにする。電気代から一切の寄付や贅沢な福利厚生施設の費用などは除くべきである。電気代で九電社員を大企業平均以上の生活を維持させる必要性も感じない

 昔、電話事業をNTTが独占していたころ、日本の通信費は高いと言ってアメリカが圧力を掛けてきた。その当時、インターネットもダイヤル接続で時間を気にしながら利用していた。日本が圧力に屈して電話の自由化を行い通信費もドーンと安くなった。昔は信じられなかった接続しっぱなしも可能になった。やはり独占は腐敗の原因なのである。

 社員の給料1割削減?大企業平均並みとしたら3割削減しかないでしょう。これは俺の妬み根性でしょうか。そうだとしたら浅ましいことですね。

(2012年11月25日 記)

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